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2016年4月26日付 夕刊フジ 【野々村被告、判決の行方 政活費全額弁償、議員辞職…「執行猶予付き」の可能性】

2016.04.26

メディア掲載

日帰り出張を繰り返したなどと嘘の報告書を提出し、政務活動費(政活費)約913万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われ、神戸地裁で25日開かれた論告求刑公判で、懲役3年を求刑された元兵庫県議の野々村竜太郎被告(49)。事件は号泣会見や初公判のドタキャンなど異例づくしの展開となっただけに、7月6日の判決の行方に注目が集まっている。

野々村被告は短く毛が生えた頭に黒縁めがねとスーツ姿で入廷。2014年7月に政活費不正受給を釈明した会見での豊かな頭髪からやり直し初公判でのスキンヘッド、前回公判での無精ひげにジャージー姿と容姿を変貌させており、この日も服装は整っていたが無精ひげは伸びていた。

公判では、検察側が「議員の地位と信頼を逆手にとり制度の盲点を悪用した」として懲役3年を求刑。弁護側は詐欺罪の成立を否定し執行猶予付き判決を求めた。

最終意見陳述では野々村被告が公判で「記憶がない」と連発したことを「医師の診断で解離性健忘の可能性もあるとのことで記憶がなく、お答えすることができませんでした」と釈明。「このような事件を二度と起こさないこと、1人でも多くの方を幸せにすること、他の方に迷惑をかけないことを誓約いたしまして私の発言といたします」と締めくくった。

判決公判は7月6日に予定されているが裁判所の判断はどうなるのか。

元裁判官の片田真志弁護士(大阪弁護士会)は「詐欺などの財産犯では判決までに被害額を全額弁償すれば、量刑で大きく考慮される。今回も詐取した政活費を弁償し議員辞職しており、執行猶予付き判決が言い渡される可能性は高い。正当な理由のない不出頭や不誠実な供述態度は量刑の原則からするとあまり考慮されず、社会の受け止め方との間にずれがあるといえるかもしれない」と話している。

(夕刊フジ)

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