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2020年01月31日付 京都新聞 【元判事 漫画で法律監修】

2020.02.01

メディア掲載

京に事務所の弁護士 裁判官主人公「イチケイのカラス」

元裁判官で京都と大阪に法律事務所を構える片田真志弁護士(40)が、裁判官を主人公とした漫画「イチケイのカラス」(講談社)の法律監修を務めた。

刑事裁判官の機微を描いた作品は、法曹関係者の間で高い評価を得ており、刑事司法分野の活動をたたえる賞も受けた。片田弁護士は「リアルな裁判官像を感じてもらい、司法への信頼が増せばうれしい」としている。

漫画の作者は、若手女性漫画家の浅見理都さん。漫画誌モーニングで約1年間連載され、単行本となった。 主人公は、地裁の第1刑事部(通称・イチケイ)に配属された若手裁判官。被告とのやりとりや個性的な先輩裁判官らにもまれながら成長する姿を描く。

法曹界で話題

法律監修を務めたのは片田弁護士と、刑事弁護に詳しい櫻井光政弁護士(第二東京弁護士会)。 約10年間の裁判官経験がある片田弁護士は、市民とともに罪の重い事件を裁く裁判員裁判を経験しており、退官後も裁判官の仕事を発信したいと考えていた。浅見さん側からの依頼を「裁判官の思考を知ってもらえる機会」と快諾した。

浅見さんや編集者と何度も打ち合わせを重ね、執務室の机の配置や法服をまとう場所をはじめ、裁判員選任の手続き、裁判官同士が法廷外で証拠について意見を出し合う場面について助言した。

路上生活者の男性が起こした脅迫事件を題材とした回では、片田弁護士が考案した判決文が誌面を飾った。本の見開きを費やした長文のせりふは、実際の判決言い渡しと同様、犯行に至った詳細な経緯や情状面ついて検討しており、読み応えがある。

刑事裁判官の実像に迫った作品は、法曹関係者の間でも話題に。京都地裁で以前に裁判員を務めた左京区の女性(54)は、裁判官の姿が忠実に描かれていると裁判長から作品を勧められた。「裁判員の休憩時間の雰囲気がそっくりで驚いた。裁判だけでなく、被告が更生するする姿も描かれており感銘した」と語る。

昨年12月には、刑事司法の発展に寄与した個人らに贈られる「守屋賞」を作者の浅見さんが受賞した。浅見さんは「反響が大きくて驚いた。片田弁護士の話を聞いたことによって、実際の裁判官が感じている部分が明確に知れ、第1話につながるネーム(構想)が描けた」と振り返る。

片田弁護士は、「裁判官は『雲の上の人』と思われがちだが、実際はさまざまなしんどさも抱えながら仕事に取り組んでいる。作品を通じて肉感のある裁判官像に触れてもらい、司法を身近に感じてほしい」と語る。

(京都新聞)

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